つれづれな思いー カトマンドゥにて

 

1993年の山旅人の日記から、ネパール・カトマンドゥでの事です

 

4月26日から待望の雨が降ってきた。幾分涼しい。昨日、一日中歩いたせいか右足の先が痛い。どうやら靴が合わないらしい。

サンセットビューで朝食を取りながら記録を整理し葉書を書いていたら、広島の小島正雄さんをアルジュンさんから紹介される。22歳のときに被爆された方である。メタセコイヤの木を持ってネパールへ植林に来ているという。

 

 メタセコイヤは、中国で発見された奇跡の木といわれている。現在の石炭・石油の元になっており、かつて世界中に生息していたそうだ。戦後、アメリカが中国からカルフォルニアに持って帰り植林をしたところ成功し、現在、地球を守る木といわれている。小島さんは「二葉山を守る会」を主催しているほか「広島を語る会(被爆経験者)」にも参加している方である。

 

 小島さんは爆心地から1.5km離れた家のトイレで被害にあった。暗い瓦礫の中で「助けてください。助けていただいたら必ず世の中の為になることをやります」と神様に祈っていたら、一条の光が差し込み、光を頼りに這い上がり助かった人である。

 

戦争が終わり、その後、いつしか当時のことを忘れてしまったが、ちょっとしたことがきっかけで二葉山に犬を連れて行き落ちていたゴミを拾ったとき、原爆で死に掛けたことを思い出した。そして、これなら私でも出来ると思い、ゴミ拾いを始めたそうだ。

 

それから17年経った、ある時、山の不思議な夢を見て気になり、今まで行ったことのない裏側に行ってみると、山を崩し開発している様子が目についた。すると、大きな木が「助けてくれ!」と叫んだような気がした。このことを九州の友人に話すと「その山に行ってみたい。連れてってくれ」となり、九州の友人と共に山を守ることになった。そして「二葉山を守る会」を立ち上げて今に至っているという。

 

 高齢にも関わらず前向きに生きている姿に感動する。ついお昼近くまで話し込んでしまう。そして、「私は、谷川岳で遭難して助けていただいたのに、私は何も感じない。私は何もしていない。お恥ずかしい」と話すと、「今日、感動したことを話すだけでいい。拘束するものは何もない。感動したことを人に伝えることが大事ですよ」と言われた。

 とても素晴らしい人である。いつの日か機会があれば誰かに伝えようと思う。

1993年4月28日 記

     ※            ※ 

 

日記帳を整理していたら付箋紙が付いていたので開いてみました。偶然であったが、小島さんの「落ちていたゴミ拾い」と同じかもしれません。

あれから十五年経ちましたが、今、私がしていることは、体験し感動したことを「伝える」ことです。

皆さんも感動したことを誰かに伝えてみませんか。

 

フォトアルバムは、「カトマンドゥにて」です。 

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