悲しきもの達へのメッセージ

前回投稿した「悲しきもの達」へのメッセージになればと思い、山旅人の物語・ジョンの旅立ち編からの一節を掲載します。

昔、ある人の物語にジョンという少年が生まれた。
彼はジョンの物語を通してイーハトーヴを表そうとしたが、彼の夢は叶わず三十七歳という若さで死んでしまった。
その後、彼の物語は童話となって広まったが、彼の魂は満たされず、さ迷っていた。
そんなある時、彼は一人の少年《ヤマト》を見初めた。
ヤマトの心は深い哀しみに包まれていたが、真っ直ぐな心を持っていた。
心に深い哀しみを持っているのはジョンと同じであった。
彼は、ヤマトがジョンの生まれ変わりのように思えた。
ヤマトの未来を見ると、険しく困難な道であったが、その先には幽かな光明が見えていた。
彼は、ヤマトにジョンの物語を託そうと思った。
それがどんな結果になろうとも、この少年に委ねようと決めた。
彼はジョンの魂をヤマトの心の中に入れた。
そして、それから三十年近い月日が流れたある日、ヤマトは大きな事故に遭った。
死に直面し絶望の淵に立たされたのだった。

人は病などになり死を目前とした時、自分の存在について考えるようになる。
しかし健康な者は、快、不快がすべてであり、人生を深く考えるより享楽を求める。
人生を享楽している者は自分と向き合うことが出来ない。
たやすい人生と他人の存在が気になり、すべてを自分中心に考えてしまう。
決して他者があって私が存在するなどとは考えない。

幸か不幸か、ヤマトは自分の存在について深く考えるようになった。

(おじさん!)
(僕、分かった)
(ヤマトは大きな事故にあった時、目覚めたんだ)
(そして、それまでのしがらみから解放されて歩き始めた)
(光を目指して歩き始めたんだ)

(そう、ヤマトは絶望の中で気がついた)
(そして、ほんとうの真実を求めて歩き出したんだよ)

それからが大変だった。
現実は決して容赦しなかった。
何度もうらぎられ、何度も死にそうになった。
まるで試練のように、道に立ちはだかった。
しかし、その度にジョンと共に乗り越えて、どんな苦しみにも耐える強さ、どんなことも深く考える忍耐力がついていった。
そしてついにイーハトーブ辿り着いた。

人は苦しみ、痛み、運命をあるがままに受け入れた時、完成され真実が見える。

ジョンは気がついた。
この瞬間に存在するすべてが美しく、とても素晴らしいということに気がついたんだ。
イーハトーヴは求めるものではなかった。
イーハトーヴは目の前にあった。
イーハトーブは目の前に広がる現実の世界だった。
ジョンは、とうとうイーハトーヴに辿り着いた。
いや、気がついたんだ・・・。

(そしてジョンは、どうなったの?)

(ヤマト君、私はだれですか?)

(おじさんは、ジョンだよね)

(そうだよ)
(私はヤマトの中で一緒にイーハトーヴを捜してきた)
(ヤマトのおかげでイーハトーヴに辿り着いたんだ)
(理想郷は、目の前の現世界だと気がついたんだ)
(もう私はヤマトの中には居る必要がなくなった)
(だから、ここに居るんだよ)

(あなたを作った魂は?)

(私と一緒に居るよ)

(ヤマトはどうなったの?)
(僕はなぜ現れたの?)

(私と話をするためです)

(なぜ?)

(また、聞いてください)

(はい!)

人はだれも心の中に魂がある。
自己の中に存在し、自我の目覚めと共に成長してゆく。
これまでは、私がその役割を担ってきた。
しかし、私はヤマトの中に居られなくなった。
このままでは、魂の無いヤマトは迷ってしまう。
私は君が現れるのを待たなければならなかった。
そして、ようやく君が現れた。
《僕はだれ、どうしてここに居るの》と・・・。
私は、すぐ君に伝えたかった。
しかし、ただちに伝えることが出来なかった。
なぜなら、自ら気が付かなければ私の言葉を理解出来ないから、時が来るのを待たなければならなかったのだ。
しかし、ようやく、その時が来た。
ヤマトは蕎麦畑で『今こうしていることが、幸せだということを忘れていた』と言った、その瞬間だった。
ヤマトは気がついてくれた。
私と共にイーハトーヴに辿り着いたことに気がついてくれたんだ。
そして、ようやく君と話が出来たんだ。

(分かったかい)

この物語の続きを読みたい方は山旅人のHPの山旅人の物語をご覧下さい。ただし、執筆中の作品です。

山旅人⇒http://www.geocities.jp/pkqnx291/index.html

広告
カテゴリー: 東日本大震災 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中